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整形外科 看護師の仕事内容は規模と患者さんで変わってきますよ
しかし、整形外科患者は多く、足や腰、肩や手などの痛みを訴える人は後を絶ちません。対象者は小児から高齢者と幅広く、対象者に合わせた看護のスキルが必要になる診療科であると言えます。
また、整形外科でも総合病院やクリニック等病院の種類も様々であり、仕事内容は勤務先により異なるのです。
今回は、整形外科看護師の業務内容をご紹介したいと思います。
この記事の内容はこれ!
整形外科 看護師の仕事内容を1日の流れで見るとどうなるの?
(日勤業務)
8:00 出勤 情報収集
8:30 カンファレンス 申し送り
9:00 検温 点滴交換 清潔ケア 術後患者の包交介助
内服準備 手術出し・迎え 記録作成 処置の介助
11:30 2チームに分かれて昼食休憩
13:30 検温 点滴交換 清潔ケア 術後患者の包交介助
内服準備 手術出し・迎え 記録作成 処置の介助
16:30 申し送り
病棟勤務では、患者さんの手術出し、迎えがあります。
また、手術後の患者さんに限らず、入院患者さん全員を継続的に観察し、全身状態にも気を配らなくてはなりません。
医療処置の介助から、清潔ケアまでトータル的なケアが求められるのです。
整形外科クリニックの看護師の仕事内容の1日の流れ
8:00 出勤 担当業務の割り振り
8:20 診察室、待合室の環境整備
8:30 患者受付、カルテ準備
9:00 診察補助 患者対応 問診 電話対応 処置 検査 点滴
13:00 休憩
15:00 午後の診察補助 患者対応 問診 電話対応 処置 検査 点滴
18:30 受付終了 掃除 機材の滅菌 処置台のシーツ交換
翌日の予約患者のカルテ準備
整形外科クリニックでは、ケアというよりは診察の補助がメインであり、そのほかにも検査や、待合室、診察室の環境整備など、看護師としての専門的な業務以外の仕事も求められるようになってきます。
整形外科 看護師の仕事内容を業態別に見るとどうなるの?
総合病院整形外科病棟の仕事内容
総合病院での整形外科では、一般的な整形外科疾患や、珍しい整形外科疾患の患者さんが対象であり、整形外科疾患とその他の外科、内科疾患を合併しているという患者が少なくありません。
整形外科疾患に目を配りつつ、外科、内科疾患の観察も行わなければならないため、整形外科医師のほかにも内科医師や整形外科以外の外科の医師とのコンタクトを取る必要があります。
また、内科、外科を合わせた知識、ケアの技術が必要になってきます。
整形外科専門病院の仕事内容
整形外科専門病院では、一般的疾患から症例の少ない疾患まで、整形外科分野全領域の患者が対象です。
中でも症例の少ない疾患をメインに治療している病院があるため、より一層整形外科の専門的な知識、看護技術が必要になります。
整形外科専門病院というだけあり、整形外科でのキャリアアップ、スキルアップを望んでいる人や、専門知識を習得したい人には最適な職場であると言えます。
整形外科クリニックの仕事内容
整形外科クリニックでは、膝の痛み、肩の痛みなど継続的な診察が必要な患者さんや、症状が新たに出現したため、診察を希望している患者さんが対象となります。
退院後のリハビリのための通院や、日常生活は普段通り行えている患者さんがほとんどであるため、重症度は低いものの、診察を希望している患者さんはたくさんいます。
日常生活内での生活指導や、リハビリ指導も必要になるためより患者さんの生活に合わせた個別性のある対応が求められます。
整形外科 看護師の仕事内容で患者さんが特化したらどうなるの?
スポーツ整形外科
スポーツ整形外科では、スポーツ選手や、スポーツ選手を目指しているという患者さんが対象であり、高齢の患者さんはほぼいません。
整形外科の病棟では、特に高齢者のトイレ介助が多いため、スポーツ選手対象のスポーツ整形はなかなかレアな職場です。
対象患者さんが若いため、おむつ交換、トイレ介助などのケアは一般病棟のような需要はありませんが、スポーツ整形外科特有の治療方法やリハビリ方法、メンタルケアなどが必要になります。
スポーツの世界と関わりを持っていたいという方にはお勧めの職場です。
小児整形外科
乳幼児や就学児等は通常であれば小児科になりますが、整形分野においては整形外科の対象患者となります。
小児看護も成人看護も経験できるのは整形外科特有かもしれません。
小児の患者さんの場合、患者さんである子供はもちろん、その両親、兄弟も含めた看護が必要になります。
一般病棟に入院している小児整形の患者さんをみると、そのかわいらしさで看護師のほうが癒される事が多々あります。
患者さんは子供であるため、自分のこと以上に心配している家族も多く、いかにして痛みを取ってあげるか、家族が穏やかに過ごせるよう配慮してあげられるかが重要です。
整形外科 看護師の仕事内容をケア別に見るとどうなるの?
バイタルサイン測定の仕事内容
患者の看護をする上で必ずと言っていいほど必要なのがバイタルサインの測定です。整形外科でバイタルサインを測定するときには体温、血圧、SPO2はもちろんですが、その他にも整形外科特有の観察ポイントというものがあります。
術前の上肢疾患患者では、腫れやむくみ、しびれなどの確認が必要です。その他にも手指であれば掌握運動が可能かどうか、麻痺は生じていないかということの確認が必要です。掌握運動ができないとなれば、どの指が伸展、屈曲できないか見なくてはなりません。それによって、障害がある神経が分かりますし、できていたことができなくなってしまった時には医師への報告を急がなくてはなりません。
ギプス固定をしている患者では、ギプスによる皮膚の擦れやかゆみなども観察するポイントになってきます。ギプスの擦れやあたりにより皮膚の発赤や剥離、ひどい時には潰瘍になってしまう場合もあるので注意しなくてはならない観察ポイントです。
術後の上肢疾患では、術前の観察ポイントに加えて出血の有無、創部の状態の観察が合わせて必要な観察ポイントとなってきます。創部の発赤、疼痛、主張や熱感は特に注意が必要となります。屈筋腱などの手術では指先に糸が設置されてくるため、その糸が外れていないかなども見ていかなくてはなりません。
また、肩などでは肩用の外転固定器などの装着が必要となる場合があるので、装具は正しい位置で固定されているか、装具による当たりや擦れはないかも観察します。
次に下肢疾患ですが、術前の下肢疾患でも、上肢疾患同様に痛み、腫れ、しびれの観察は必要となります。また、一番観察しなくてはならないポイントは足関節の底背屈運動、足の親指の背屈運動が可能かどうかです。これにより、腓骨神経麻痺になっていないかどうかわかります。整形外科看護と腓骨神経麻痺は切っても切れない関係にあります。
また、牽引などをしている患者では、直達牽引ではワイヤー刺入部の観察が必要です。スピードトラックの患者では、ケアの時に合わせて皮膚の観察をすることが必要になります。また、牽引の重りは床についていないか、牽引の角度はよい角度になっているかなどもバイタルサインの測定と合わせて観察が必要になります。
脊椎疾患の患者では、疼痛、しびれの観察を行います。また、コルセットや、警部の固定装具を使用している時には、上肢同様に装具装着時の観察をします。また、頸椎では、上肢のしびれや、挙上ができるか、掌握運動が可能かなども観察します。腰椎では、歩行時の痛みやしびれ、足関節の底背屈運動が可能かどうか、膀胱直腸障害が出ていないかなども見ていかなくてはなりません。
一口にバイタルサインを測定とは言っても、数値だけをみるのではなく、疾患部位に合わせた症状の観察が必要となるのです。
清拭ケアの仕事内容
整形外科疾患を抱えている患者は、ADLの自立が困難であり、看護師のケアを必要としている患者がほとんどになると思います。中でも看護師の仕事として欠かせないのが清拭ではないでしょうか、最近では、介護士や、看護補助に清拭を依頼している病院も多いかと思いますが、整形外科では看護師が行う方が好ましい場合もたくさんあります。
上肢疾患の患者の場合、片側の疾患であればもう片方である程度のことはできます。しかし、紐を結んだり、ボタンをかけたりなどの細かい作業は患者一人では困難な場合もあるため、看護師の手助けが必要となります。
下肢疾患では、痛みが強い場合、特に自分で清拭することは困難です。大腿骨頚部骨折ともなれば、ADLは全介助に近くなりますし、痛みに応じたケアをしなくてはなりません。そして、術後となればドレーンや、禁止肢位があるため、清拭時には一層の注意が必要となります。
下肢疾患では、ベッド上での動きが制限されやすいので、褥瘡になりやすく、清拭時にスキントラブルの観察も合わせて行う必要もあるのです。
脊椎疾患の患者の場合、清拭する際には特にひねりや、腰椎の屈曲は避けたいため、背部や足先などを中心にケアを行います。前面や前かがみにならなくても清拭できるところは自分で行ってもらい、患者が依存的にならないよう、自立を促しながら清拭することがポイントです。
口腔ケアの仕事内容
口腔ケアをおろそかにしては口臭などの原因となり、最悪の場合、肺炎の一因などになってしまいます。整形外科領域でも口腔ケアは必須なケアです。
上肢疾患の場合、術後の安静を過ぎればほぼ自立できるため、介助はそれほど必要にはなりません。ただし、歯磨き粉のキャップを開けたり、歯磨き粉を付けてあげたりするのは上肢疾患の患者にとっては一苦労の作業であるため、手伝ってあげるとよいでしょう。
下肢疾患では口腔ケアのセッティング、片付けの介助を行います。上肢が負傷していな場合には自分で行ってもらい、可能な限りADLを維持していく必要があります。
脊椎疾患の患者では、歯磨きができても、洗面所などが低いと前かがみにならざるを得ないため、状況によっては口腔ケア後の片付けなどを介助していく必要があります。
排泄ケアの仕事内容
患者自身、もっとも看護師に気を遣ってしまうのが排泄面でケアを受けるということでしょう。しかし、介助を受けないと排泄できないという患者さんも多いため、いかに患者に気を遣わせずに排泄介助を行うかということが大切です。
上肢疾患の場合では排泄介助が必要ないように思われがちですが、下着やズボンの上げ下げができないという患者が多くいます。「これだけのために呼んでしまって申し訳ない」と言ってくる患者がたくさんいます。自分でできそうでは?と感じることがあっても急に片手の生活になってしまい、痛みを抱えている患者にとっては簡単な動作ではないのです。痛みが落ち着いたら、徐々に自分で行ってもらうように指導もしていく必要があります。
下肢疾患でベッド上安静が必要な患者の場合には、床上排泄となってしまうことは避けられません。おむつでの排泄が嫌だ、できないという患者は差し込むタイプの便器で排泄することになります。
オムツにせよ、差し込むタイプの便器にせよ、排泄後の体位変換などにより、大きな疼痛が生じるため、疼痛を最小限で排泄介助を行うことが必要です。術後もしばらくは歩行が困難であるため、車椅子での移送が必要になりますし、立位保持が可能となるまではトイレ介助に2人~3人の看護師が必要となることもしばしばです。
脊椎疾患の患者については、頸椎疾患であれば手のしびれや麻痺により、ズボンの上げ下げができないという患者がいます。また、腰椎疾患であれば、ふらつきや、下肢の麻痺のためトイレまでたどり着くことが困難であったり、立位保持が困難であるという患者もいます。そんな時には車いすでトイレまで搬送したり、ズボンの上げ下げの介助などを行います。
さらに、脊椎疾患の中でも、膀胱特徴障害が発症している患者は自己にて排泄することができないため、導尿や摘便などの介助が必要となる患者もいるのです。退院後もこれらの処置が必要と考えられる患者には、ケアの際に家族を含めて指導していきます。
整形外科 看護師の仕事内容は年齢ごとに関わり方を変化させてみよう。
小児の場合の仕事内容
整形外科では、小児科ではなくとも小児の患者さんが入院してくることはよくあることです。その疾患も多様であり、先天性股関節脱臼や小児の骨折、スポーツ外傷など様々です。
乳児の場合、自分では意思表示をすることは困難です。また、普段と違う病院という環境、医師や看護師などいつも周りにいない大人たちが急に現れて、まさに宇宙人に遭遇したような気持ちになってしまうでしょう。
治療をスムーズに終え、順調に回復過程を辿るためには家族の協力が必須です。バイタルサイン測定や創傷処置の介助など、必要な事はもちろん行いますが、清拭など、家族が行っても問題ないようなケアの場合には家族に介入してもらう方がよいでしょう。
また、処置の際には恐怖感や、痛みなどにより、小児の患者は泣いてしまいます。処置の内容で、家族が立ち会っても問題ないような場合には家族に同席してもらい、創部なども一緒に見ることで順調に回復していることを理解してもらい、患者、家族ともに安心してもらいます。
医師のみで処置を行う場合、「家族の方は外でお待ちください」という医師が多いと経験上思います。そんな時こそ看護師の出番です。看護師の一言で、患者、家族の苦痛を減らすことができるのです。
小児の患者に対して私がよく使う必殺技があります。小児科に務める友人に伝授してもらいました。幼児限定の必殺技になってしまいますが、その技とはテープにキャラクターを描くということです。処置の後、キャラクターを描いたテープを貼ってあげると、喜ぶのです。よろしければお試しください。
小学校高学年から中学生になると、反抗期のためなのかは分かりませんが、親に協力を依頼することが必ずよいとは限りません。その点が少し難しい所なのです。このくらいの年齢になるとハッキリと自己表現できますので、自分でどうしたいのか、どこを手伝ってほしいのか、親と一緒の方がよいのかなど、本人に確認し、ケアなどは進めていきます。
青年期の場合の仕事内容
青年期の患者は、大変回復が早いです。元々の筋肉もしっかりしており、栄養状態も問題があるという患者はそうそういません。言葉が悪いかもしれませんが、手のかからない患者層だと思います。
しかし、他の年齢層と比べ、圧倒的に羞恥心が強いのもこの青年期の患者です。だからこそ「自分でやる」という意識が、回復スピードを速めるのかもしれません。青年期の患者では、成人している場合、治療についても自己決定が尊重されます。しかし、実際は保護者の意思も重要である場合が多いため、必要時に保護者とコンタクトを取りながら治療やケアを進めていくことが重要です。
ケアなどの際には、逆にケアをすることで羞恥心が強くなるため、必要な所だけ手伝い、過剰に手を貸さないということがこの年齢層には大切です。また、なるべくケアは同性の看護師に依頼するというような配慮も必要だと思います。
壮年期の場合の仕事内容
壮年期の患者も、経験上ですが自立心が強い患者が多いと思います。しかし、この年代から、だんだんと依存心が強い患者が増加傾向になってくるのも確かな事です。
まだまだ働き盛りの患者もたくさんいるため、励ましながら、ADLの向上やリハビリを進めていく必要があります。退院してからの仕事復帰、車の運転など様々な事を考慮しながら、心身のケアを行っていく必要があるのです。
また、内科的な疾患を抱える患者も小児や青年期の患者と比較すると、圧倒的に増えてきます。整形外科領域のみでなく、全身状態の観察がより一層必要になってきます。
老年期の場合の仕事内容
老年期となると、これまでの年齢層と比べ、回復スピードも遅くなり、ADLが向上するまでにも時間を要します。患者のスピードに合わせて看護を行わなくてはなりません。
また、認知症ともなれば、騒いでしまったり、安静を守れなかったりなどもしばしばです。そんな時には家族に協力をしてもらったり、安全を考えた上で抑制を行わなくてはなりません。
さらに注意が必要な事は、遠慮をして看護師を頼らず、頑張ってしまったがための転倒、再骨折ということが起こるのは老年期ならではの特徴です。転倒や転落に十分に注意していく必要があります。
まとめ
いかがでしたか? 整形外科分野の対象となる患者さんは全ての年齢であり、病院や施設の規模やその対象によって求められる看護が異なってくるということが分かります。
一日の仕事の流れの中での各業務は、ただ行うのではなく、上記に述べたようなポイントに重点を置いて行わなければなりません。整形外科での勤務を考えていてもどんな仕事なのか、自分が仕事を続けられるだろうかと不安な方に、是非業務内容などを参考にしていただきたいと思います。
整形外科といっても、それぞれによって業務は異なるため、自分が希望する業務のスタイルはどんなものなのかを考え、希望に合った仕事ができるといいですね。得意な領域の能力向上や、新しい領域での挑戦などのため、この記事を活用していただけたら幸いです。
執筆者情報
整形外科の看護師求人を選ぼう!編集部
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